ロボットみたいに生きてる

それでも私は人間なのか

40代女の友情

最近、40代の女の友情についてつらつらと考えてしまっています。
私自身は40代後半に突入しましたが、20代や30代のころとくらべてめっきり友達が減ってしまいました。
別に何をしたわけでもないのですが、気が付いたら今まであんなにたくさんいたはずの友達が、連絡がなくなっていたり、連絡先が変わっていたりで、いつの間にか誰もいなくなっていた、という感覚です。
これって、なんなのでしょうか。
何か、私に原因があるのでしょうか。それとも、そんな年齢ということなのでしょうか。
ネットで調べてみても、「40代友達」という言葉で検索しただけで、「友達が減った」という内容がたくさんヒットするところを見ても、どうやら私だけの現象ではなさそうです。
不思議です。自分には、そんなことは起こらないと思っていました。一体何が原因なのか?
思い当たることとしては、ライフステージの変化によるもの。
20代のころはお互いの環境も生活もほとんど違いがなく、同じ趣味や興味のある話題で盛り上がって、話が尽きることがなかった友達も、片方が結婚したり、また出産したりとどんどん生活環境が枝分かれしていくことでいつの間にか会っても盛り上がらなくなってしまった。
あちらは仕事のことで頭がいっぱい、こちらは育児の悩みや嫁姑問題・・・お互いの気持ちをなんとか想像して共感しようと試みても、どうしても現実感がわかず、同じ環境や境遇の似ているママ友同士でしゃべったほうがはるかに盛り上がったり。
それでも、なんとかやってきてたんです。
数少ない友達を大事にしようと思ってました。
友達は、数よりも質。そう思って、たとえ友達が少なくても、自分は幸せだ、と思っていたんです。

そんな心を最近乱して止まないのが、SNSの登場なのです。
たとえば、私よりもはるかに友達が多く、いつも輝いている某彼女。彼女は、私の友達でもあります。
SNSというものがこの世に登場する前からの友達で、会えばいろんな話をし、私はすっかり心を開いていました。
しかし、SNSの登場で、会っていないときの彼女の言動も読めるようになってしまいました。
そうして、ふと思ったのです。
彼女は、いわゆる「人たらし」なのではないかと。
悪い意味ではありません。男女問わず、なぜだかみな、彼女の人間性に惹かれていくのです。
何がそうさせるのか、はっきりした物言いが気持ちがいいのか、親身になって話を聞いてくれる姿勢が自分だけに向けられている関心ととられるのか。
気が付いたのです。元々私の知り合いだった人や、私が紹介した友達が、全員、どんどん彼女と深い友達になっていくことに。
SNSの存在がなければ、おそらく気が付かないままだったでしょう。
しかし、SNSの日記で、写真で、いつの間にか、私を介して紹介した友人が、私抜きで彼女と親しく会っている様子を何度も発見してしまうようになったのです。
もちろん友達は私の所有物ではありませんから、自由です。でも、なんで誘ってくれなかったんだろう?声をかけてくれたら行ったのに・・・と思うことが増え、だんだんとSNSを見ること自体が辛くなってきました。
なぜだか、以前は複数で会っていたメンバーも、いつの間にか彼女としか連絡をとらなくなっていく。
SNSがなければ知る由もないことですが、あ、ふたりは会っていたんだ、と嫌でも目に入ってしまう。
私にはコメントを入れず、存在に気付いてもフォロー申請さえもしてこない人が、彼女とはつながっている・・・。

わかっています。不健康な思考です。これでは、ひとりで僻んでいる状態で、こんなだとますます友達が減ってしまいます。
SNSが当たり前になった最近、何かが変わったなと思うのですが、なんというか、「キラキラ輝いている」ことが人として素敵である条件で、そういう人こそが友達ができる、という図式になっているように思います。それは昔から、ふさぎこんでいたり悩んでばかりいる人よりも元気でバイタリティーに溢れた人のほうが魅力的なのは同じかもしれませんが、そういうキラキラ生活アピールを、SNSという手段で簡単にしやすくなったのだと思います。会って、話しているうちに、ああ、こういう事を考えている人なのか、とじわじわとわかってくるというのではなく、「あんなもの食べた」「こんなとこ行った」「ほら、私友達いっぱい」というSNSを見て、その人の生活をそこではかり、「毎日活き活きしている素敵な人!」「友達の多い人気者」と認定されると、そこにわらわらとみな集まっていく・・・。
いわゆる、自分の理想像でレッテルを貼り付け、寄っていく。

連絡をくれなくなった人たちの中では、きっと自分の「旬」が過ぎたのでしょう。
勝手なイメージで寄ってきて、実際話してみるとなんだか違う、と離れていってしまったようにも思えます。
某彼女を交えて定期的に集まっていたメンバーも、いつの間にか彼女だけと会うようになってしまいました。

ライフステージの変化に加えて、SNSが登場したことで、私の友情面での人生設計が大きく違ってきたなとつくづく感じるこのごろです。
かといって、SNSでとりあえずキラキラアピールもできない性分であれば、流れに身をまかせて、50代、60代がどんな風になっていくのかじっくり体験してみよう、と思います。